WSDから、英語の同音異綴語を調べたところ、2通りのペアが265組あり、3通り以上の組が23組ありました。
ここでは、3通り以上の組について、WSDから検索したものをご紹介します。
なお、I , O といった、アルファベットと綴りが重複するものは、一つとして扱い、アルファベット単独を、大文字で表記することとしました。
ここで同音か否かは、WSDのデータにおける発音記号表記が、検索において文字列として一致するかどうかで判定していますので、一方の単語に、別の発音もある、というような場合は、文字列が一致しないので検索にかかりません。
目視で気づいたものは、適宜加えてありますが、検索上の制約から、一般に同音異綴と扱われる例が抜けているかもしれませんので、参考としてご覧ください。
なお、同音同綴の中に、異義語が含まれていることもありますので、3通り=3語とは限りません。
また一語の綴り方が複数ある、という場合は原則として異綴語とは扱いません。
/aɪ/ : aye(ay), eye, I
/aɪl/ : aisle, I’ll, isle
/baɪ/ : buy, by, bye
/eər/ : air, heir, err(/eər, əːr|əː/)
/fɔːr/ : fore, four, for(/弱音 fər; 強音 fɔːr/)
/juː/ : ewe, U, yew, you(/弱音 jʊ, jə; 強音 juː/)
/hiːl/ : heal, heel, he’ll(/弱音 hil, il; 強音 hiːl/)
/kjuː/ : cue, Q, queue
/meɪn/ : main, Maine, mane
/miːt/ : meat, meet, mete
/ɔːr/ : oar, ore, or(/弱音 ər; 強音 ɔːr/)
/oʊ/ : O, oh, owe
/pǽlət/ : palate, palette, pallet
/peər/ : pair, pare, pear
/piː/ : P, pea, pee
/piːk/ : peak, peek, pique
/raɪt/ : right, rite, write
/reɪn/ : rain, reign, rein
/saɪt/ : cite, sight, site
/sent/ : cent, scent, sent
/siː/ : C, sea, see
/soʊ/ : sew, so, sow
/soʊl/ : Seoul, sole, soul
/tiː/ : T, tea, tee
/tʃek/ : check, cheque, Czech
/tʃɪ́li/ : Chile, chili(chilli), chilly
/tuː/ : too, two, to(/弱音 tə, tu; 強音 tuː/)
/veɪn/ : vain, vane, vein
以上のとおりですが、アルファベット1字や地名を含むものを除けば、半分近くに減ります。
思っていたより少ない、というのが私の印象です。
pair/pare/pear rain/reign/rein cite/sight/site sew/so/sow あたりが典型例でしょうか。
なお、英音で語尾などの/r/が発音されないことで、英音で同音異綴となるものあります。
例えば、/ɔː/と/ɔːr/に関するものとして、3通り以上になるものは、
/ɔː/:awe /ɔːr/:oar, ore, or
/pɔː/:paw, poor(/pʊər|pɔː, pʊə/) /pɔːr/:pore, pour
/sɔː/:saw /sɔːr/:soar, sore
/tɔːt/:taught, taut /tɔːrt/:tort
などがあり、/ɑː/と/ɑːr/の場合は、
/ɑː/:ah /ɑːr/:are(/弱音ər; 強音ɑːr/), our(áʊər, ɑːr), R
などがあります。
また、/j/や/h/などが発音されないときに同一の発音になるものとして、例えば
/djuː/:dew(英音/dʒuː/あり), due(同左) /duː/:do(弱音は/də/)
/weər/:ware, wear /hweər/:where
などがあります。
他のパターンもあると思われ、全数調査するのは困難です。
2通りの同音異綴語については、こちら(1) と こちら(2) の記事をご覧ください。