(広義の)オー系の音が、オー/ɔː/なのか、オウ/oʊ/なのかについて、前回(その1)の続きとして、ノ以降のもの(の抜粋)です。
リストは、WSDのカナ表記順です。
gnaw /nɔː/ かじる
know /noʊ/ 知っている
no /noʊ/ いいえ
nor /弱nər; 強nɔːr/ もまた~ない
綴りがoで終わる単語は、オーかオウかで言えば、/oʊ/です(doのように、/uː/になるものもあります。zooなど、ooで終わるものは、全て/uː/でした)。
Norway /nɔ́ːrweɪ/ ノルウェー
noway /nóʊwèɪ/ 決して~でない
foe /foʊ/ 敵
for /弱fər; 強fɔːr/ ~のために
fore /fɔːr/ 前の
four /fɔːr/ 4
綴りoeが定石通り、/oʊ/になる例です。
folk /foʊk/ 人々
fork /fɔːrk/ フォーク
foam /foʊm/ 泡
form /fɔːrm/ 形
flaw /flɔː/ きず
floor /flɔːr/ 床
flow /floʊ/ 流れる
fro /froʊ/ to and fro
float /floʊt/ 浮く
fraught /flɔːt/ 満ちた
綴りaughtは、WSD収録単語では、draught /dræft|drɑːft/, laughter /lǽftər|lάːftər/を除き、全て/ɔːt/です。
bloat /bloʊt/ ふくらませる
brought /brɔːt/ →bring
綴りoaが定石通り/oʊ/となり、oughtが/ɔːt/となる例です。
blown /bloʊn/ →blow
brawn /brɔːn/ 筋肉
cf.brown /braʊn/ 茶色
綴りowは、フォニックス的には/aʊ/が原則とされるようで、allow, down, powerなど多数あります。しかし/oʊ/も多数あり、blow, grow, know, own, showなど、一大勢力となっています。WSDの範囲では、/ɔː/の例はなく、他には knowledge /nάlɪdʒ|nɔ́l-/が目立つくらいです。
boar /bɔːr/ イノシシ
bore /bɔːr/ 穴をあける/退屈させる/→bear
bow /boʊ/ 弓
poke /poʊk/ 突く
pork /pɔːrk/ 豚肉
pause /pɔːz/ 小休止
pose /poʊz/ ポーズをとる
poach /poʊtʃ/ 密猟する/熱湯でゆでる
porch /pɔːrtʃ/ 玄関
boat /boʊt/ ボート
bought /bɔːrt/ →buy
vote /voʊt/ 投票
board /bɔːrd/ 板
bored /bɔːrd/ 退屈した
bode /boʊd/ 前兆となる/→bide
boring /bɔ́ːrɪŋ/ 退屈な/穿孔
bowling /bóʊlɪŋ/ ボウリング
hall /hɔːl/ 大広間
haul /hɔːl/ 引っ張る
hole /hoʊl/ 穴
whole /hoʊl/ 全体の
ball /bɔːl/ 球/大舞踏会
bawl /bɔːl/ どなる
bowl /boʊl/ 鉢/ボウリングをする
綴りallは、ほぼ/ɔːl/になりますが、shall /弱ʃəl; 強ʃæl/のような例外がわずかにあります。
ボウリングや、アメフトの「~ボウル」は、/oʊ/音に対してカタカナ語でオウ系の記法をする珍しい例です(他には、ソウルミュージックなどがあります)。
bald /bɔːld/ はげた
bold /boʊld/ 大胆な
mortar /mɔ́ːrt̬ər/ 迫撃砲/モルタル
motor /móʊt̬ər/ モーター
mall /mɔːl, +英mæl/ ショッピングモール
maul /mɔːl/ 大槌
mole /moʊl/ モグラ/ほくろ/防波堤/モル
moan /moʊn/ うめき声
mown /moʊn/ →mow
mourn /mɔːrn/ 嘆く
law /lɔː, lɑː|lɔː/ 法
lore /lɔːr/ 伝承
low /loʊ/ 低い
raw /rɔː/ 生の
roar /rɔːr/ ほえる
roe /roʊ/ 魚の卵/ノロジカ
row /roʊ/ 列/ボートをこぐ
log /lɔːg, lɑg|lɔg/ 丸太
rogue /roʊg/ 悪漢
loath /loʊθ/ 嫌って
loss /lɔːs|lɔs/ 損失
wrath /ræθ|rɔθ, rɔːθ/ 激怒
laud /lɔːd/ 賞賛する
load /loʊd/ 積み荷
lord /lɔːrd/ 統治者
road /roʊd/ 道路
rode /roʊd/ →ride
cf.loud /laʊd/ 音の大きい
綴りouは、/aʊ/が最も一般的で、count, foul, pouch, proud, southなど多数あります。/oʊ/は、thoughなどoughの形か、soulなどoulの形以外はごく例外的(cantaloupe /kǽnt̬əlòʊp|-lùːp/など)となります。/ɔː/は、目視で調べた限り、すべてoughかoughtの形の単語のようです。なお、ouの綴りでは、他に/uː/ (group, soupなど)、/ʌ/ (couple, touchなど)、/ʊ/ (could, souldなど)、語尾のousでの/ə/などがあり、結構バリエーションがあります。
lawn /lɔːn/ 芝生
loan /loʊn/ 貸付金
lone /loʊn/ ただ一人の
以上、オー系で、オーとオウの違いのある単語の抜粋でした。
(注)綴りと発音についての記述は、学問的に厳密なものではありません。