英語の綴りと発音の関係について ~参考文献~

私の手元にある文献の中で、英語における綴りと発音の関係について詳しいものとしては、

LONGMAN Pronunciation Dictionary  3rd edition (2008)

CAMBRIDGE English Pronouncing Dictionary  17th edition (2006)

竹林滋・桜井雅人著 英語の演習[1] 音韻・形態 大修館書店 1985年

があります。

上2つは、リファレンス的な発音辞典ですが、アルファベットごとに、本文中のコラムとして、綴り→発音の関係について、例示があります。

個人的にユニークなのは、「英語の演習[1] 音韻・形態」 だと思います。このシリーズは、<大学生のための英語再入門>と銘打った三冊シリーズのひとつですが、「文法」「語彙・表現」と並び、「音韻・形態」だけで一冊になっています。

この本(「音韻・形態」)でも、「英語は世界の言語の中でも最も綴り字と発音の関係が複雑で、綴り字が不規則な言語だといわれている」とあります。
しかしづつけて、「英語の正確な発音を示すには発音記号を用いるしかないと一般には信じられているが、英語の綴り字と発音とて全くでたらめなのではない。当然そこには綴り字と発音との間に基本的な規則があり、これの学習は「フォニックス」と呼ばれていて、英米の小学生が始めて文字を習うときに使われている方法である。」とあり、以下、綴り字と発音の関係が基本的な20の規則にまとめて紹介されています。

つまり、この規則を知っていれば、かなり多くの英単語について、綴りを見れば、発音記号なしに正しく発音できる(不規則な発音となる例外はもちろん別にして)、ということになるわけです。

この規則群、チャレンジしてみましたが、20もある上、結構複雑です。私は根気がなかったので、すぐに挫折してしまいました。

注意すべきは、フォニックスは、あくまで、綴り字から発音を知る、という方向になっているということです。このサイトで私が問題にしているのは、発音から綴りを知る、という方向で、これについては、「/u:/という母音を表す文字が何通りあるか調べてみると次のように10通りもある」という形で語られているだけで、規則がある、とは述べられていないようです。

つまり、フォニックスを知っていることは、発音から綴りを推測する際に、可能性の低い綴りを排除する一助とはなっても、綴りを知る決め手にはならない、ということです。まして認知した発音が曖昧であったら、さらに効果が低くなります。

ともあれ、綴りと発音についての体系的で詳細な説明があるという意味では貴重な文献であると思い、紹介させていただきました。

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