「悉皆調査」の4回目です。
綴りと発音の関係について、WSD上で、1つ、あるいはまれにしかない組み合わせについて、いくつか調べた結果です。
なお、検索すべき綴りや発音の部分がごく短いものについては、検索条件の設定や目視による確認が難しく、見落としのある可能性もあることをご了承ください。
(1)ear の綴りで /ɑːr/ の発音 : WSD的関心からは、「 /ɑːr/ の発音で、ear の綴りをもつもの」ともいえます。以下同様。
heart が有名ですが、heart を含む単語の他は、hearth(炉辺)のみでした。
(2)er の綴りで /ɑːr/ の発音
sergeant(軍曹)のみでした。
(3)ie の綴りで /e/ の発音
典型は friend ですが、friend を含む語の他は、pimiento(赤ピーマン)のみ(発音 /je/ もあり)でした。
(4)ew の綴りで /oʊ/ の発音
この形は、sew(縫う)及びその派生語(sewer, sewing, sewn)のみでした。
(5)wor の綴りで /ɔːr/ の発音(/wɔːr/ ではなくて)
この形は、sword と swordfish(メカジキ)のみでした。
(6)ce- の綴りで /tʃe-/ の発音
cello /tʃéloʊ/ と、concerto /kəntʃéərt̬oʊ/ のみでした。
なお、/tʃe/ では、Czech /tʃek/ という例もあります。
(7)oir の綴りで、/waɪər/ の発音
choir /kwáɪər/(聖歌隊)のみでした。
なお、一般には、oir, oire の形は、memoir, repertoire のように、/wɑːr/ の発音になります。
また、/waɪər/ の発音を持つ形は、一般には、wire, -quire /kwaɪər/ の綴りになります。
(8)ay- の綴りで /e-/ の発音
say の三単現の says /sez/ は、例外的な発音の形ですが、ay(一般な発音は /eɪ/ )が /e/ に発音される形は、他には prayer(「祈り」:「祈る人」ではない)/preər/ のみでした。
(注)確認に困難があったので、「準悉皆」としてください。
(9)cht の綴りで /t/ の発音
yacht の1つだけでした。
(10)ar の綴り(areではなく)で /eər/ の発音 (準悉皆)
scarce, scarcely, scarcity のみでした。